好天に恵まれた、"ツインリンクもてぎ"の特設セクションは、前日の大会で使われたままの状態で、所々が荒れていた。さらに、競技が進み、木陰の泥濘が深く残ったままに、乾いたロックは表面が削れもろく崩れやすくなって行く。
そんな中、前日、3位のアダム・ラガ(GASGAS)は、先行する2人のライダーの走りを見ながら、慎重な走りを展開し、1ラップ目を他を大きく引き離した12点の減点で終える。マシンの特性もこの日の"もてぎ"にフィットしていたようだ。第2ラップはやや調子を落として19点の減点となりながら、リードを守り切って今期初の優勝を飾った。
昨日の優勝により、新しいレギュレーションで下見が出来ない中で、真っ先にセクションにトライしなくてはならないトニー・ボウ(REPSOL MONTESA HONDA)は、1ラップ目の序盤を快調にこなしながら、中盤で崩れ、3つのセクションで5点を出してしまい21点の減点を残し、そのマイナスを2ラップ目に挽回できずに2位に終わる。
藤波貴久(REPSOL MONTESA HONDA)は、前日の結果を引きずってしまった。故国での大会のプレッシャーもいつもより大きく感じていたのかもしれない。明らかに緊張したまま、この日の1ラップ目を迎え、5つのセクションで5点を喫してしまい、2ラップ目のそれをカバーすることができずに結果4位となった。
今年で、11回目を迎えた伝統のトライアル世界選手権・日本GPは今年も2日開催で行われた。とりわけ2日目は天候にも恵まれ例年より多くの観客が会場に詰めかけた。
もちろん、永く世界で戦う藤波貴久を一目見るために集まったファンがそのほとんどで、藤波のトライにはどのセクションでもぎっしりと人々が詰めかけた。藤波の今シーズンの活躍を期待するとともに、ちょっと、気が早いが、来年のこの大会の開催と藤波の変わらない挑戦が今から待ち遠しい。
左から2位のT・ボウ、1位のA・ラガ、3位のF・ファハルド。2日とも上位3名が同じ顔ぶれだった。
(写真提供:本田技研工業株式会社)
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