2011年3月29日火曜日

HondaCBR250R Impression

Sport Quarter for One Worldが開発の狙いとされるCBR250R。最新のHonda一流の一種独特の迫力あるスタイル。


Hondaの久々のクォーターシングル「CBR250R」。最新のHonda車だと直感的にわかるデザインのコンパクトな車体に、新設計の水冷DOHC4バルブの扱いやすいエンジン。さらに、意外なほどしっかりとしたトラス構造のフレームと足まわり。加えて、ゆったりとしたライディングスペースが特長。街乗りからツーリングまで充分にこなす多彩なモデルであり、思い切り乗りこなせるサイズと性能は、ビギナーからベテランまで誰が乗っても楽しい1台。
この「CBR250R」は日本の二輪R&Dセンターで開発され、タイで生産が行われ、世界中のモーターサイクルシーンに向けて発売されるロードスポーツとしては初のグローバルモデル。Hondaのロードスポーツの代名詞である"CBR"を冠し、Hondaの新生代への思いが凝縮され具現化されたブランニューモデルでもある。

特長的なY字型ヘッドライトユニットはH4バルブの55/60W。小型のスクリーンは適度なウインドプロテクションをもたらす。

デザインは一見して新しい世代のHondaのロードスポーツモデルであることを直接的にアピール、コンパクトな車体であるにも関わらず、巧にある種の高級感と大人っぽさを感じさせる。昨年発売されたVFR1200Fと同様のフラッシュサーフェス化された造形も特長。
ライダーに適度な走行風を導きながらウインドプロテクション効果も持つコンパクトなアッパーカウル、高いエンジン冷却効果と空気抵抗の低減を両立するエアマネージメント機能が与えられたミドルカウル、異形5角断面のマフラーへと繋がるアンダーカウルで構成される車体は、ある種の迫力と塊感も感じさせる。
このスタイル、年齢だけでなく、ひょっとすると性別をも超えて人気を得ることができそうな外さなさを感じさせるデザインである。
新開発の水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒のメカニズム構成の249ccエンジンは、高い環境性能と扱いやすいパワー特性を狙って、PGM-FIを始め、モーターサイクル用DOHCエンジンに世界初の採用となるローラーロッカーアーム、オフセットシリンダ−などの最新の低フリクション技術等も盛り込まれている。
さらに、1次バランサー、サイレントカムチェーン、半割圧入メタルのクランク軸受等を採用して低振動で高い静粛性を特長とする。Hondaの最新2輪エンジン技術の結晶とも言えるもので、無類に扱いやすく、高い耐久性が持ち味。
エンジンの中速域のトルクと扱いやすさは、あらゆる走行シーンでこの「CBR250R」を快活に走らせることを可能としており、なにより低振動であることによって、楽しく快適に、高速走行、長時間走行にも適した特性をももたらしている。

高い冷却性能と空位抵抗の低減を両立したデザインのミドル、アンダーカウルが新開発のエンジンを巧に包み込む

タンデムグリップ、テイルエンドとランプ形状は見慣れたデザインながらさらにシャープな形状になっている

長距離走行でも疲れを感じさせない形状で硬めのシートはかなりの優れもの。タンデムシートも安心ある着座感が特長

コンパクトなインパネには中央にアナログ式タコメーターが配され、液晶部にはスピード、水温、オド/トリップ、時計が表示される


前後に短い燃料タンクはグラマラスな形状。容量は14L。400km近くは走れそうだ。

新設計のフレームは、トラス構造のダイヤモンドタイプで、高い剛性が与えられており、同様にやや硬めの設定とされたしっかり感が高いサスペンションと相まってこの「CBR250R」を、小柄なアジア系のライダーから、欧米の大柄なライダーにも対応できるものにしている。
そうした軽快感より適度な安定感と安心感、高荷重にも耐えられそうなフレームと足まわりもこのクォーターモデルにある種の高級感を与えている。タウンユースからロングランまで充分にこなせる特性は、むしろエンジンよりもクラスを越えた安心感と強い個性を感じさせる。

大型スポーツモデルと同等のタッチも節度も優れるチェンジペダル。ステップ周りもすっきりした仕上がり


また、コーナリング時に穏やかな過渡特性を見せる新開発のタイヤも、短いホイールベースとマスの集中化が進んだ車体の剛性と特性、サスペンション特性にマッチしたもので、適度な旋回性を獲得しながら、様々な走行シーンで安心感の高い走りを可能としている。
前後のブレーキもこの車体には充分過ぎるほどの制動力を与えられ、さらにコントローラブルなもの。フロントは296mmのローターサイズで2ポットキャリパー、リヤは220mmのローターに大径の1ポットキャリパーを採用している。


ABS車ではフロントには3ポットキャリパーが採用される。250ccクラスのロードモデルでは始めてコンバインドABSが採用された。安心して思い切りブレーキングが出来るABSモデルはやはりお薦め

スリムな車体に沿って処理される異形5角断面のマフラー。排気音は予想外に歯切れよく迫力がある


ライディングポジションも、この「CBR250R」のグローバルモデルという位置づけに相応しく、世界中の様々な体格のユーザーに対応したもの。平均的な日本人には比較的ゆったりした印象となり、長距離走行に適している。また、シートも硬めだか長時間の着座でも疲れることがなく、タンデムシートもこの車格にしては座りやすく安心感が高い形状となっている。

フロントと同様に新開発されたタイヤは安定性指向だが運動性も高い。プロリンクサスペンションはしっかりした印象に設定されている


Hondaの久々の250ccシングルは、新たな世代のモーターサイクルを予感させる。これで、良い、これで充分に楽しいのだということを感じさせるまとまり方は、グローバルなポジションでの"CBR"の名は、こうした特性のモデルに与えられるものなのだということも教えてくれる。
「CBR250R」は、日本で開発されタイで生産され世界に向けて発売されたPCXと同様の生い立ちのグローバルスポーツモデル。そこからは今のHondaの2輪の在り方、これからのHondaの流れの象徴したモデルでもある。
乗って、走らせて楽しい。全てが新世代の技術で巧にまとめられ、好ましく中庸であるために、誰もが思い切り乗りこなせる。さらにはしっかりしたフレームと足まわりは250ccクラスの新たな基準にもなり得るもの。新世代を強く感じさせるこのクォータースポーツ、ビギナーや女性にも絶対的にお薦めできるが、予想外に大人層にも人気になりそうな気配も感じさせるモデルでもあった。
<モリ ヒサシ>

動力性能も車体周りも250ccクラスの新な基準となりそう。乗りやすさと運動性能が上手く丁度よくバランスしている


CBR250R主要諸元:
車名・型式:ホンダ・JBK-MC41 全長×全幅×全高(m):2.035×0.720×1.125 軸距(m):1.370 最低地上高(m):0.145 シート高(m):0.780 車両重量(kg)<ABS装備車>:161<165> 乗車定員(人):2 最小回転半径(m):2.5 エンジン型式・種類:MC41E・水冷4ストロークDOHC 4バルブ単気筒 総排気量(cm3):249 内径×行程(mm):76.0×55.0 圧縮比:10.7 最高出力(Kw[ps]/rpm):20[27]/8,500 最大トルク(N・m{kg・m}/rpm):23[2.3]/7,000 燃料消費率(km/l):49.2(60km/h定地走行テスト値) 燃料供給装置形式:電子式<電子制御燃料噴射式(PGM-FI)> 始動方式:セルフ式 点火装置形式:フル・トランジスタ式バッテリー点火 潤滑方式:圧送飛沫併用式 燃料タンク容量(L)13 クラッチ形式:乾式多板コイルスプリング式 変速機形式:常時噛合式6段リターン 変速比:1速3.333 2速2.117 3速1.571 4速1.304 5速1.115 6速 0.962 減速比(1次/2次):2.807/2.714 キャスター(度)/トレール(mm)25°30′/ 98 タイヤサイズ:(前)110/70-17M/C54S(後)140/70-17M/C66S ブレーキ形式:(前)油圧式ディスク(後)油圧式ディスク 懸架方式:(前)テレスコピック式(後)スイングアーム式 フレーム形式:ダイヤモンド メーカー希望小売価格:¥449,400(消費税込み)ABS車:¥499,800(消費税込み)

アステロイドブラックメタリックの車体色は車体にさらに凝縮感を与える。ABS車は価格以上の価値を感じさせる

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