この調査は2年に一度、新車購入ユーザーを対象にしたアンケート調査として行われ、2輪市場の変化を捉えることを目的とされ、今回は、5,575サンプルからの回答があり、新車購入ユーザー調査に加えて2つのトピック調査が行われた。
その結果、新車購入ユーザーは、男女とも「10代」「20代」が減少し、とりわけ「20代・女性」の構成比が前回の'07年に比べて半減、一方、「50代以上」が増加傾向にあるとのこと。また、調査対象の平均年齢が47.4歳と今回も高齢化が確実に進んでいる様子が明らかとなった。なお、購入者は代替えが中心で、前回よりも2ポイント増加の57%となり、新規購入は依然減少傾向にあるとのこと。
また、高速道路のタンデム走行経験者は前回の19%から22%へと微増。今後の継続乗車は前回の89%から92%にやはり微増となり、2輪に一度乗った人はなかなか降りないという嬉しいデータも現れた。
トピック調査は、2輪車に関する意識調査と販売店に関する調査が実施され、意識調査では、新規購入ユーザーの購入動機は「燃費のよさ」「維持費の安さ」「移動時間の短縮」といった経済性と実用性重視の傾向が強く現れた。一方、保有経験の無い人においては「交通渋滞に巻き込まれずにすむ」点に魅力を感じている人が多いが、対照的に「どの特性も購入意欲をかきたてない」との回答比率も大きいという厳しい結果も現れた。
ユーザー、ノンユーザーに関わらず全体の6割は、"二輪は環境性が優れている"とし、全体の2割から"より環境性の高い2輪車が開発されれば、買い替え・購入を検討する"との回答も得られている。さらに、東京都(特に23区西部)および大阪市などの人口集中地域を中心に、相変わらず2輪の駐車で困っている実態も浮き彫りにされた。
販売店に関する調査では、ユーザーからは「信頼できる雰囲気」「分かりやすい説明」「整備内容の説明」「価格・諸経費の明確な表示」「試乗が可能」「商品を見るのに十分なスペース」「展示2輪車の品揃え」「アクセサリー・用品の品揃え」を重視するとの回答が見られ、一方、販売店も同様の項目を重視していることも確認されたが、ユーザー満足度との間に差が生じていることがわかったとされる。
今回の調査から見えた動向は、既に多くのユーザーや関係者が実感している状況であり、本年度になって発表や市場に投入されたニューモデルの多くは、そうした意味では市場動向から外れたものではないという現状である。
だが、経済性や実用性重視だけではなく、言うまでもなく、一方で先進性、趣味性を求める向きも2輪という商品の特性上かなり存在することも事実であり、誰が見ても抜群に格好良く高性能で魅力的な商品の登場を強く願わずにはいられない。そこに、例えば高燃費性能も含まれていたら言うこと無しなのだが。さらに、今後は、隔年とは言わず毎年でも、より広範囲で詳細にこの調査が行われることにも期待したい。
<モリ ヒサシ>
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