2012年10月3日水曜日

Honda CRF450 RALLYが発表された


来る201315日にスタートするダカールラリーに参戦するホンダのマシンが、昨日(102日)、ドイツ・ケルンで開催中のインターモトの会場で発表された。

今回、発表のマシンはあくまで初期段階のモデルで、ラリーバイクとしては極めてコンベンショナル・スタンダードな仕上がりを見せるもの。ベースマシンのエンデューロモデルCRF450X7.3Lに対して3倍以上の20Lを超える容量を搭載する5分割の燃料タンクが主な装備として目新しく、苦労の跡も見えるのだが、オフロードマシンが好調の南米市場を見据えて、今後はコンプリートモデルあるいはパーツの販売を前提とした仕上がりにとどまっているモデルと見て取れる。

また、長くラリーレイドマシンにシートを提供してきたノグチシートや、PIAAと言ったサプライヤーのパーツを採用し、そのロゴが車体を飾っているあたりは誇らしくも微笑ましい。

参戦ライダーとチーム体制等も同地で発表され、すでに発表エルダー・ロドリゲス(ポルトガル)、フェリペ・ザノル(ブラジル)、サム・サンダーランド(イギリス)、ハビエル・ピゾリト(アルゼンチン)の4名に加え、メキシコで開催されているオフロードレース「Baja 1000」で、11度の優勝を誇るジョニー・キャンベル(米国)が新たに参戦することが明かになった。チームはライダー同様に各国の混成で、HRCで長くオフロードマシンに関わる山崎勝実氏がチーム監督を務める。

Hondaのダカール復帰、HRC製のワークスマシンと言えば、いやが上にも期待が高まるが、今回のマシンには、前世代のNXRのような斬新性と革新をもってダカールラリーそのものを変革させた圧倒的な存在感を見ることができない。だが、本番までには1014日からのモロッコラリーでの実戦テスト等を経て、まだまだ進化するとのこと。さらにHondaワークスらしいマシンの登場に期待したい。(モリヒサシ)

なお、テスト風景は以下から。



24年ぶりにダカールの戻ってきたHRC/Hondaのワークスマシンは手堅い仕上がりを見せる。今後の進化に大いに期待。

左右に低く増設されたフロントタンクとシート後方の左右に設けたリヤタンクで合計5つの燃料タンクを装備するマシンの象徴するフォルム。

ラリーマシンライダーの仕事場。専用装備が視認性、扱いやすさ、さらにはダメージに影響されない場所に配置される。

GPSのホルダー、トリップメーター、電動マップホルダーとラリーには欠かせない機器を収納するフェアリング。


2つのライトが装備されたフェアリングはラリーマシンの特徴的な顔。

低く左右に張り出したボルトオンのフロントタンク。ライダーの動きを妨げずにタンク容量を稼ぐ工夫がうかがえる。

燃料を多く積むことが最大の課題であり問題でもある。出来るだけ低い位置に左右にレイアウトされたリヤタンクを採用する。
リヤタンクの増設によってエキゾーストパイプはラリーマシンの定石通りにE/G下から伸ばされる。

足回りも専用の設定が行われてこのマシンはピレリタイヤを履く。

前後のタンクの間にはスタンダード車と同様のステップ周りが確保されている。









2012年7月2日月曜日

Honda 2013Dakar Rallyに参戦

2013DakarRally CRF450X

2013年、伝統のダカールラリーにHondaが戻ってくる。1989年の3連覇の末にあっさりとパリダカから姿を消したHondaHRC)が、舞台を南米に移して現代に生き残ったこの伝統のラリーレイドに「Team HRC」として、実に23年ぶりに参戦するのである。

マシンは、CRF450Xベースのプロトタイプとされ、1995年グラナダ・ダカールラリーで総合5位、クラス優勝したAR燃焼の2ストロークモデルEXP-2を手がけた(株)本田技術研究所 二輪R&Dセンターが開発・製作する。

また、市販のCRF450Xへの装着を前提としたキットパーツも同時開発し、一部のチームへ提供する予定とされ、成長著しい南米市場を背景に増えているダカールラリーの南米のエントラントたちへのサポートにもぬかりない。

Team HRC」からの参戦ライダーは、昨年のダカールラリー20123位入賞のヘルダー・ロドリゲス(ポルトガル)をはじめ、モトクロスやエンデューロレースの経験豊富なフェリペ・ザノル(ブラジル)、サム・サンダーランド(イギリス)、ジャビエ・ピゾリト(アルゼンチン)の4名。

Hondaは、総力を挙げて強くて勝てるマシンを開発し、参戦初年度から優勝を目指す」
とのことだが、当然、マシン開発も参戦計画も今日までに進められてきたであろうし、マシンに至っては、ベースマシンの基本性能も耐久性も向上しているし、さらにはレギュレーション上で制限される要素やルートの状況からも、マシンに求められる要件はそれほどタフなものではないはず。となれば、要は、チームの体制、運営方法、運営スタッフではないだろうか。

BMWが撤退後、KTMの独壇場となり、それでもヤマハが積極的に取り組んでいたダカールラリーへの参戦である。レースでの世界ではどのカテゴリーであれ、ワークスチームの撤回はそのカテゴリーの進化を鈍らせる。Hondaの参戦は、今度は何年続くかは定かでないが、とにかく、年明けのダカールラリーには大注目したい。(モリ ヒサシ)