この日は本来のスピードと抜群の安定感で久々の彼らしいレースを見せたD.ペドロサ
ロードレース世界選手権、第15戦日本GPが10月2日、"ツインリンクもてぎ"で開催された。
期待にたがわずストーナーはフリー走行から圧倒的なスピードを見せてあっさりとポールポジションを獲得。 しかし、"もてぎ"とHonda勢の相性は必ずしも良好とは言えず、2004年以降、ここでの勝利はなく、また、路面温度が上がらないとヤマハが有利との前評判もあり、Honda関係者は一応に緊張の色は隠せなかった。
ところが、決勝レースのスタートでその不安も一瞬吹っ飛んだ。
フロントローからストーナーが一気にダッシュして、チームメイトのD.ペドロサ、A.ドヴィツィオーゾを従えてレースを開始した。
一方、日本で最も人気のあるこのクラスの絶対、王者、V.ロッシは大声援の中、予選で7番手からスタートを切るが、3コーナーで他車と接触してあえなくリタイヤ。これが、このレースの混戦を予想させた。
ストーナーは、快調にレースをリードしながら、4周目のバックストレートで登りから下りにかかった瞬間にマシンにトラブルが発生。ブレーキパッドが振動で開いてしまい、直後の90度コーナーでの最高速近いスピードからのブレーキングが遅れてオーバーラン。
この混乱の直後にトップに立ったのはペドロサ。この日はペドロサのスピードも際立っていた。気温が低く、路面温度が上がらない中で多くのライダーが転倒等で消える中を、有利と言われたJ.ロレンソ(Yamaha Factory Racing)の追走を許さず、中盤から終盤のレースを完全にリードしてそのままトップでチェッカーを受けた。彼にとっては初の"もてぎ"での優勝となった。
2位にはロレンソ。3位にはオーバーランから立ち直ったものの、その後はややペースが上がらないままのレースとなったストーナーが入り、ポイントリーダーの座を守りきった。
4位にはジャンプスタートでライドスルーのペナルティーを課せられたもののそこから激走を見せたM.シモンチェリ、同様にペナルティー後も善戦したドヴィツィオーゾが5位とHonda勢の活躍が目立った大会となった。
また、東日本大震災で延期開催となったこの大会で、復興へのイメージリーダーとして参戦したベテランの伊藤真一は、最後尾からのスタートながらレース中次第にマシンに馴れ、13位でゴールした。
(写真提供:本田技研工業株式会社 文:モリ ヒサシ)
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