2011年10月20日木曜日

ストーナー今季9勝目を挙げ新チャンピオンに
。Hondaコンストラクターズタイトル獲得

今シーズン再びHondaに乗ったC.ストーナー。圧倒的な速さと強さで自身にとって2度目のタイトルを獲得した。

1016日、フィリップアイランド・サーキットで開催されたロードレース世界選手権、第16戦オーストラリアGPにおいて、地元出身 のケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)は、今シーズン11回目のポールポジションからライバルを圧倒する速さで今季9勝目を達成。ライバルのJ.ロレンソ(Yamaha Factory Racing)がウォームアップ走行中に転倒し決勝を欠場したため、残り2戦を待たずして2011年シーズンのタイトルを獲得。ストーナーにとっては、2007年以来4年ぶり。Hondaにとっては、2006年以来5年ぶりのタイトル獲得となった。

決勝レースは、ドライコンディションでスタートしたものの、断続的に雨が降ったためマシンを交換できる“フラッグ・トゥ・フラッグ”が採用された。しかし、雨はすぐに上がり、そのまま走りきったストーナーが優勝。マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)2位、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)3位に入り、Hondaは、第11戦チェコGP以来、今季2回目の表彰台独占を達成した。また、4位にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が入ったため、上位4位をHonda勢が独占する結果となった。

ストーナーは、ランキング2番手につけるのロレンソの決勝レース欠場により、6位以内に入れば自力でチャンピオンが決まるレースだったが、母国オーストラリアでのこのレースでも手を抜くこと無くGP5連勝達成という快挙で、タイトル獲得に華を添えた。

2位のシモンチェリは、第8戦イタリアGP以来8戦ぶりのフロントローから決勝に挑み、2周目に2番手に浮、以後も快調にラップを重ねるが、終盤の雨で一時ドヴィツィオーゾに先行を許しながらが、ラストラップで逆転して2位でフィニッシュ、今季2回目の表彰台を獲得。
ドヴィツィオーゾも4番グリッドから好スタートを切り、ペドロサとし烈な3位争いを展開。前半はドヴィツィオーゾ、中盤はペドロサが先行するが、終盤でドヴィツィオーゾが再び先行。5戦ぶり6回目の表彰台を獲得。一方、前戦日本GPで今季3勝目を挙げたペドロサは、強風に苦しんで思うようにペースを上げられず、4位でフィニッシュた。
予選12番手からスタートの青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は、ランディ・デ・ピュニエ(ドゥカティ)、カル・クラッチロー(ヤマハ)、カレル・アブラハム(ドゥカティ)とし烈な8位争いを繰り広げたが、終盤、瞬間的に強く降った雨の中で転倒してリタイアに終わり、また、来シーズンはスーパーバイクにスイッチすることを発表した。



ストーナーの母国GPでの優勝とタイトル獲得に、2位にシモンチェリ(左)、3位にドヴィツィオーゾ(右)、さらにはペドロサが4位に入り、Honda勢の上位独占で華を飾った。

2011年10月3日月曜日

混戦の日本GP(ツインリンクもてぎ)D.ペドロサが制覇


この日は本来のスピードと抜群の安定感で久々の彼らしいレースを見せたD.ペドロサ

ロードレース世界選手権、第15戦日本GPが10月2日、"ツインリンクもてぎ"で開催された。


注目は、MotoGPのポイントリーダーで、なんといっても絶好調のC.ストーナー(Repsol Hoda Team)の走りとそのレース運び。


期待にたがわずストーナーはフリー走行から圧倒的なスピードを見せてあっさりとポールポジションを獲得。 しかし、"もてぎ"とHonda勢の相性は必ずしも良好とは言えず、2004年以降、ここでの勝利はなく、また、路面温度が上がらないとヤマハが有利との前評判もあり、Honda関係者は一応に緊張の色は隠せなかった。


ところが、決勝レースのスタートでその不安も一瞬吹っ飛んだ。


フロントローからストーナーが一気にダッシュして、チームメイトのD.ペドロサ、A.ドヴィツィオーゾを従えてレースを開始した。


一方、日本で最も人気のあるこのクラスの絶対、王者、V.ロッシは大声援の中、予選で7番手からスタートを切るが、3コーナーで他車と接触してあえなくリタイヤ。これが、このレースの混戦を予想させた。 


ストーナーは、快調にレースをリードしながら、4周目のバックストレートで登りから下りにかかった瞬間にマシンにトラブルが発生。ブレーキパッドが振動で開いてしまい、直後の90度コーナーでの最高速近いスピードからのブレーキングが遅れてオーバーラン。


この混乱の直後にトップに立ったのはペドロサ。この日はペドロサのスピードも際立っていた。気温が低く、路面温度が上がらない中で多くのライダーが転倒等で消える中を、有利と言われたJ.ロレンソ(Yamaha Factory Racing)の追走を許さず、中盤から終盤のレースを完全にリードしてそのままトップでチェッカーを受けた。彼にとっては初の"もてぎ"での優勝となった。


2位にはロレンソ。3位にはオーバーランから立ち直ったものの、その後はややペースが上がらないままのレースとなったストーナーが入り、ポイントリーダーの座を守りきった。


4位にはジャンプスタートでライドスルーのペナルティーを課せられたもののそこから激走を見せたM.シモンチェリ、同様にペナルティー後も善戦したドヴィツィオーゾが5位とHonda勢の活躍が目立った大会となった。


また、東日本大震災で延期開催となったこの大会で、復興へのイメージリーダーとして参戦したベテランの伊藤真一は、最後尾からのスタートながらレース中次第にマシンに馴れ、13位でゴールした。




(写真提供:本田技研工業株式会社 文:モリ ヒサシ)