Honda和光ビルに設置されたソーラー充電ステーションと2輪、4輪の実証実験車両。
Hondaは12月20日、埼玉県と共同で実施する電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車、電動二輪車、電動カートなど、次世代パーソナルモビリティーを用いた実証実験の計画を公表、実証実験で使用する車両やソーラー充電ステーションなどを日本で初めて公開した。
この実証実験は、実際の都市交通環境下において、二輪車・四輪車・汎用製品の電動化技術や情報通信技術、太陽光発電によるエネルギー供給などを用いた総合的なアプローチにより、将来のパーソナルモビリティーのあり方やCO2削減効果の検証を行うもの。
今回、公表された実証実験の主な内容は、2009年3月に埼玉県とHondaで締結した「環境分野における協力に関する協定」に基づく電動化技術と情報通信技術などを活用した、将来の低炭素モビリティー社会実現に向けた効果検証を「さいたま市」「熊谷市」「秩父市」と行うこと。
それに使用するEVやプラグインハイブリッド車の実験車両、電動二輪車「EV-neo」、電動カート「モンパル ML200」などの電動車両を用いた次世代パーソナルモビリティーの実用性、利便性の検証。将来の低炭素化社会の実現に向けた、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用の効果検証。情報通信技術の活用による、使い勝手や利便性の検証とされた。
Hondaは、これらの実証実験の結果を踏まえ、パーソナルモビリティーの電動化技術を進めるとともに、ソーラーパネルやコージェネレーションなどのエネルギーを創出する商品を持つ強みを活かし、家庭やコミュニティーで完結できる「トータル・エネルギー・マネジメント」により、低炭素で豊かなライフスタイルを創造するとのこと。
なお、この実証実験は、日本に先駆け、2010年12月15日に米国(カリフォルニア州・トーランス市)でも行い、今後、中国での展開も検討されている。
また、既に発表されている、電動カートの「モンパル」、電動二輪車の「EV-noe」に加え、国内では初めて「電気自動車(EV)」と「プラグインハイブリッド車(PHV)」を発表した。
EV は、取り回しのよいコンパクトなボディと、使い勝手のよさで好評のフィットをベースに、燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」で培われた同軸モーターなどの電動化技術と、東芝製のリチウムイオンバッテリーを搭載。充電時間は急速充電で30分(80%)、100V電源では12時間以下、200V電源で6時間以下。航続走行距離は160km以上。最高速度は160km以上とされる。
PHVは、中型セダンのインスパイアをベースに、専用開発の高効率・低燃費な2.0L i-VTECエンジンと2つの高出力モーターを組み合わせ、「モーター走行」「ハイブリッド走行」「エンジン走行」の3つのモードでの走行が可能。また、ブルーエナジー製のリチウムイオンバッテリーを搭載し、EV走行での最高速度は100km/h、15kmから25kmの航続走行距離を実現している。
EV国内仕様車。FCXクラリティと同型のギアボックス同軸モーターを採用。モーターの最高出力は92kW。バッテリーは東芝製のリチウムイオン電池。
PHVは、直列4気筒2.0Lアトキンソンサイクル i-VTECと最高出力120kWの2モーターシステムと6kWhリチウムイオン電池を採用。また、100V電源で4時間以下、200V電源では1.5時間以下の充電時間とされる。