2013年4月18日木曜日

バイクに乗って、釣りに行こう!HondaCROSSCUB FISHING CUSTOMIZE CONCEPT




遊びをせんとや生まれけむ。そんな言葉を体現するバイク。単能化したバイクは格好良い。誰が、どうやって見ても、それがどこにあろうが、機能を薫り高く体現している、思い切り一つの機能に特化した姿は力強い。久々に、それを強く感じさせるバイクが現れた。322日からパシフィコ横浜で開催された国際フィッシングショー2013に特別展示された、このHonda CROSSCUB FISHING CUSTOMIZE CONCEPTである。

このHonda CROSSCUB FISHING CUSTOMIZE CONCEPTお披露目と同じタイミングで、東京モーターサイクルショー会場でCROSS CUBの市販予定が発表された。

そもそも、CROSS CUBとは、現行のスーパーカブ110をベースに、The Crossover a Life & Playのコンセプトのもとに、遊びのシーンにも似合うようにとの着想され、専用のデザイン、外装と機能を付加したバイク。カブそのままのタフネスと優れた燃費性能・環境性能をそのままに、スタイリッシュに格好良くされたモデルである。

外観のみならず、ポジションを大柄にし、シートの厚みを増して、長距離走行に対応。同時にハンドル幅も拡大等々で、走りのシーンの拡大を目指している。
そのクロスカブをベースに、フロントからリヤまで、釣りに行くには、釣りで使う機能をてんこ盛りにしたのがこのFISHING CUSTOMIZE CONCEPTである。

事の発端は、昨年11月にHonda青山本社で行われたカフェカブミーティングin青山。初めてCROSSCUBがお披露目となった時である。それを見た瞬間に、このバイクで釣りに行くしかない!とひらめいた人々がこのバイクを作ることにしたのである。

仕掛け人は、釣りとバイクをこよなく愛する男、私、モリヒサシ。釣り雑誌会を代表するつり人社の社長の鈴木氏とスタッフ、そこに居合わせたホンダモーターサイクルジャパンの面々。クロスカブで釣りに行くには…から始まり、釣りに使うには…。釣り専用に仕上げるには…と、好き者たちの話はあっという間にマックスに達し、あれよあれよという間に、Hondaとつり人社のコラボレーションの話が出来上がり、このバイクが生まれることになった。

そこから、322日のパシフィコ横浜での国際フィッシングショーでの展示まで、あれも欲しい、これも付けたい、ここにはこれがないと、次々に我が儘を言い続ける、仕掛け人達に、ホンダモーターサイクルジャパンの面々は出来る限りの協力どころか、専門家集団としての提案すらしてくださり、このバイクが出来上がる。加えて、どこに停めてあっても、釣り用のバイクだということが誰にでもわかるそんな思い入れも込めてみた。

つまりは、CROSS CUBをベースに、フロントからリヤまで、釣りに行くには、釣りで使う機能をてんこ盛りにしたのがこのFISHING CUSTOMIZE CONCEPTである。

ただし、今回、ご覧のバイクは、フライフィッシングに、しかも、テントと積んでの一泊の釣行を想定してそれに適した仕様として仕上げられた。

まずは、基本骨格とエンジンは、現行のスーパーカブであるが、CROSS CUBに丸目のヘッドライトが採用されたことに合わせ、林道等での草木からレンズを護るガードパイプでタフネスさをアピールして、釣りのシーンでの使い勝手だけでなく、アウトドアでのタフなイメージのデザイのパーツを身に付けている。

足回りに林道や河原等のオフロードを走ることを想定して、ブロックパターンのタイヤをブラックのアルミリムに履く。カブの鉄板であるレッグシールドを外し、ロッドホルダーやエンジンガードを装備できるようにアンダーパイプを採用。

アップライトなポジションで長距離走行を楽にすると同時に、ホールド性能を高めた幅広ハンドルには、ナビの代わりにスマホを収納できる小型のバッグが付けられるようにハンドルブラケットを装備。

乗り心地を重視した厚手のシートにはかなり思い切ってアルカンタラをおごる。そして、釣り人垂涎の的となったアルミ製のロッドケースホルダーをシート斜め後方に装備。

リヤには大型のバックをトップと両サイドに搭載できるキャリアサポートを採用。左右のバッグが載るフレームは簡単に脱着できる機能も与えられた。

その他、夜や早朝の暗がりでも仕掛けやタックルをしっかりと見ることが出来るようにメーターボックスの全部には補助灯を装備。オフロードでも安心して走れる可倒式のペダルの採用。停車時の路面の傾斜方向を気にしなくて済むように両側にサイドスタンドを装備するなど、細部までこだわりの機能が付加されている。

この展示車両が出来上がるまでに、様々な釣りのタックルを搭載して、一つの魚種、一つのカテゴリーの釣りだけに対応するよう偏ることなく、どんな釣りにでも対応できる装備を基本として、さらにその先はこのバイクを乗る人が思い思いにCUSTOMIZEを進化させて欲しいとの想いも込めてみた。

さて、ベースとなったCROSS CUBの発売は7月になるとも言われている。その時点で、今回紹介した装備、パーツがそのままオプションとして発売になる可能性はあまり高くないかもしれない。しかし、こうしたいわば他業種とのコラボレーションによって1台のカスタマイズモデルが出来上がるということ自体そう多い話ではないし、このまま、単に参考出品でおわるにはもったいない。今回、この試みを通じて、Hondaの懐の深さと、可能性を垣間見ることができただけに。

CROSS CUBをこのままの仕様にできたら、あるいはこの装備がそのままオプションパーツとして販売されたら、人気になること間違いない。
そう、バイクが好きだ! バイクに乗って、釣りに行こう!(モリ ヒサシ)

フル装備のフライ仕様。右側のサイドスタンドを使って停めた場合を想定している。
こちらは普通に左側のサイドスタンドで立てている。アンダーパイプにエンジンガードを付けてた。
丸目のヘッドライトにライトガードパイプを装着してタフな顔つき。
メーター下に雨具等を固定可。補助灯は暗闇でのタックルや仕掛けを触るために必要不可欠。
ハンドルブラケットを装備しナビ代わりにスマホを収納できるキャンバスバッグを付けた。
リアのキャリアサポートにはトップと左右に大型バッグが固定できる。
しかも、サイドのバッグは簡単に脱着が出来るシステムを採用した。
オフロードではブロックタイヤが心強い。タイヤと同色のアルミリムで迫力を演出した。
長距離走行を快適にするためシートは厚手に。ちょっとリッチにアルカンタラを採用する。
エンジンはタフネスと持ち前の高い信頼性と燃費性能が特長。幅広のステップは可倒式。
CC110のロゴは、もちろんCROSS CUB の略。コンセプトのきちんと明記される。
何が似合うかよりもどんな釣りのお供にもと考えた。フライフィッシング仕様例。
ポイントに着いてからは、ロッドをたたむことなく移動できたら。ランガン仕様も考えた。
BASS釣りにはミニマム装備で行けるようにと考えた。ロッドはアンダーパイプに固定。
道具の多いカープにもこれくらい道具を積めれば乗ってゆけると考えた。
こちらはSTDのCROSS CUBのリアにキャリアサポートとロッドケースホルダーを付けてみた。
ロッドケースホルダーをアンダーパイプに固定して鮎竿をこう積むことも考察した。
鮎仕様では道具類が四角いので比較的容易に搭載可能。
この仕様で船宿までいけば駐車場いらずで歓迎されること請け合いである。

実はバイクウエアと船釣りのウエアは要求される機能が近い。よって、タックルだけ積んで行ける。
昨今は磯だってクルマを停める場所に苦労するとか。これだけ積めれば大丈夫。
リアのキャリアサポート周りがあれば、磯にもSTDのCROSS CUBでも対応可能。